なぜ、お金持ちはドバイを目指すのか?

最近、お金持ちの多くがドバイへ移住していることを耳にします。
これは日本人だけに限ったことではなく、世界中の実業家や起業家からユーチューバーなど多くのお金持ちがこぞってドバイへ移住しています。特に最近ではウクライナ戦争の影響もあり、ロシア人やウクライナ人のお金持ちが増えています。
本記事では、なぜ世界のお金持ちがドバイへ移住するのかその魅力を考察します。
直近のお金持ちの流れ
Mapping the Migration of the World’s Millionaires
上の図は2022年に移住した世界のお金持ち(定義:100万ドル以上の資産を持つ人)の数と、出国・入国した国の分布図です。これにより、世界のお金持ちはどの国へと移住するかを見出すことができます。
世界のお金持ちの移住TOP3
【お金持ちが入国した国】
1位:UAE(4,000人)
2位:オーストラリア(3,500人)
3位:シンガポール(2,800人)
【お金持ちが出国した国】
1位:ロシア(15,000人)
2位:中国(10,000人)
3位:インド(8,000人)
この数字からお金持ちが入国した国はUAE(ドバイを含む)が一番多く、出国した国はロシアが多いことがわかります。ロシアから出国するお金持ちが多い原因はウクライナ戦争が影響しているためです。
THE WALL STREET JORNALは、ロシアの企業や個人が西側諸国からの制裁を回避するためにドバイへ移住している流れを以下のように説明しています。
「アラブ首長国連邦(UAE)とその主要商業都市ドバイが、欧米の対ロシア制裁に同調しない姿勢を示していることがある。UAEとドバイは米国と長年にわたり安全保障上の同盟関係にあるものの、ウクライナ戦争では中立の立場を維持しようと努めている。ドバイには既に約10万人のロシア語を話す繁栄したコミュニティーがあるが、そこに移住した人たちは、比較的緩やかな移民法や所得税がかからない、といった他の利点も見いだしている。モスクワとUAEを結ぶ航空便の飛行は続いているため、ロシア人観光客も今年は2倍に増えている。」
https://jp.wsj.com/articles/russian-cash-and-trade-drawn-to-dubai-by-low-taxes-no-sanctions-11654218200
このことから西側諸国からのロシアへの制裁が続く限り、ロシアからドバイへのお金持ちの移住が増加することが見込まれます。
ドバイが成功の一途をたどり始めたきっかけ
ドバイは石油の生産量がほとんどありません。それでも石油を発端に、先進的なビジネス戦略を練り、世界で最も豊かな国そして首長国の1つとなりました。

ビジネス戦略の1つとしてドバイが成功の道筋を辿り始めたきっかけにはジュベル・アリ港があげられます。
この港はペルシャ湾とイラクへの入り口で、世界で最も忙しい港の1つです。この港は自由貿易の行えるフリーゾーンの中に位置するため関税がかからないことや、税金のかからない地区のため新たねビジネスの発展の場となりました。
ここから、ドバイが成功の一途を辿り始めたのです。
税金
税金はVAT: Value Added Taxと呼ばれる5%の付加価値税しかありません。日本の消費税と同様のものです。
税金面で大きなポイントとなるのは所得税や法人税が無いことです。これが世界中のお金持ちを引き寄せる理由になっています。
詳しくはこちらの記事詳しく解説しているので参考にしてみてください。
治安
お金持ちにとって、ドバイの治安の良さが移住する上での重要な理由の1つとなっています。
ドバイはお金持ちの街だと認知されていますが、治安に関しても世界で一番安心な街とも知られています。この背景にはドバイ政府が厳しい法律を課していることや、警察の貢献が挙げられます。
2022年の安全な街指数では上位10位のうち、1位(アブダビ)・4位(シャールジャ)・8位(ドバイ)とアラブ首長国連邦の年が占め、日本で最高順位の37位(東京)よりも遥かに安全だと示した指標があります。
ドバイは常日頃からその時々に適した法律に即座に変え対応していることや、警察もフェラーリやブガッティなどのスポーツカーや、これからはドローンを導入するなど最先端の技術を駆使し安全面に貢献しています。
富裕層へのアプローチ
ドバイはどんな国のどんな人にも寛容で、お金持ちがお金を使える土壌が整っています。
これもお金持ちがドバイへ移住する理由の1つです。例えば、会社設立の手続きやビザの発給が他の国と比べて容易で、高額な費用を払えば払った分だけ物事をより簡単に進めることができます。

加えて、世界一大きなショッピングモールや世界に一つだけの7つ星ホテルなど富裕層向けの観光施設など、お金を使うことのできる環境がドバイには整っています。お金持ちにとって自国が貧しいとお金を使う場所や機会がなかなかありません、そして時には大金を使い過ぎることで、取り調べの対象になる可能性も出てきます。そのため、ドバイが提供するお金持ちへのアプローチは移住への大きな魅力となっています。
実際のドバイ
上記のことを紹介すると、ドバイにはお金持ちしか住んでいないというイメージをもってしまうかもしれません。しかし、実際にはドバイの人口の9割は外国からの出稼ぎ労働者で、その内の20%近くの人が貧困に直面しています。そのため、ドバイに住む人が全員お金持ちということは間違いで、実際には激しい格差が存在するのです。
外国からの労働者は出身国によっても就く職業が異なり、インド系は建築従業員やタクシーのドライバー、アジア系は飲食業か看護婦、アフリカ系はセキュリティの仕事をしています。国や地域によって自然と職業が分けられていると考えると興味深いです。
多くの人は炎天下の中、公共交通機関を使い移動をしています。これが現実です。

おわりに
本記事では世界のお金持ちがドバイに移住する理由をまとめました。
ドバイが発展した理由は石油だけではなく、フリーゾーンなど海外からのお金持ちや企業を誘致する緻密な政策が組み込まれています。そして、ドバイへ来たお金持ちを満足させる施策として治安や観光業を向上させること、そして裕福な嗜好品へのアクセスを可能にしました。これらの要素が世界中のお金持ちをドバイに引き寄せる理由となっています。
ドバイはこれからも資産が集まる場所としてさらなる経済発展を遂げます。今後の経済の発展の場として更に注目が集まるので、ドバイの動向から目が離せません。