海外での税金対策で知っておくべきこと

海外での税金対策で知っておくべきこと

事業や投資ではうまくいっているが、最終的に税金が引かれてしまい手元に残る額が少ない。

これから税金対策を考えたい、そして今後より多くの額を稼ぐことを目指すのであれば、事前の税金対策の知識が必要となります。

本記事は、「非居住者の考え方とは何か」を中心に海外での節税対策をどう実施するかをまとめてみました。

目次

租税公課・租税回避・節税の定義の確認

まずはじめに、税金対策を行う上で出てくる専門用語、「租税公課・租税回避・租税回避地(タックスヘイブン)・節税」の意味を確認しましょう。

租税公課

租税公課の定義として以下のように定義されています。

「租税公課」とは国や地方に納める税金(租税)と公共団体へ納める会費や罰金など(公課)を合わせた名前です。

つまり、国税や地方税などの税金が租税公課に該当します。
租税公課は申告の際に申告する経費が認められるか否かによって、支払わなくてはいけない税金の金額が変わります。

自分の手元や会社にお金を残すために、この租税公課の支払い額をなるべく少なくする必要があります。

租税回避

租税公課を少しでも抑える1つの方法が「租税回避」です。

「租税回避」とは税法が規定していない行為を行って、合法的に税負担を軽減することをいいます。
この方法は税法で規制されていない以上は合法的な行為であるため、租税回避を行ってもだたちに罰せられるものではありません。

簡単に言うと、法の抜け穴を突くことによって課税を逃れる方法です。

例えば、以前、Amazonジャパンのクレジット決済会社はアイルランドにあったため、日本における法人税を回避していました(最終的には、国税局からの追徴課税がありましたが)。このように、法律では規制されていない方法で税金を回避する方法が租税回避です。

租税回避地(タックスヘイブン)

次に租税回避地です。

租税回避地とは、英語で「Tax Haven(タックスヘイブン)」です。この言葉通り税率の低い地域のことを指します。
そのため、上記の租税回避の例に挙げたAmazonジャパンの租税回避地は、法人税率の低いアイルランドとなります。

節税

節税とは、税法にのっとった方法で税金の負担を軽減する方法です。
わかりやすく言うと、YouTuberが仕事のために高額のカメラなどを買うのもその一環です。

国としてもYouTuberという職業であれば、その仕事に適した経費を使うべきだと促進しているため、節税の一環となるのです。

海外での節税

海外での節税のために、まず日本での課税対象から抜ける必要がありますが、同時に租税回避する海外の国での税率を確認する必要もあります。

つまり、日本で課税対象から外れたとしても、移住した国が日本よりも多額の課税をされては意味がないのです。

ここからは日本の課税対象から抜けるためにまず考えなくては行けない「非居住者」を理解し、その後どのような国が租税回避地があるのかをみていきます。

非居住者の定義

日本の税金を払わないために、多くの人が海外へ移住します。
その際に重要となるのが日本での課税対象になるか否かです。課税対象外になるためには非居住者である必要があります。

日本の居住者か非居住者か?

非居住者には明確な定義はなく、国税局ですら認識しておりません。
そのため、過去の判例などから判断する必要があります。

判例:武富士事件

武富士事件をご存じでしょうか?

武富士事件とは、親子間でなされた国外財産の贈与について、贈与税の課税対象となるかが争われた事件です。
ここでの論点は、贈与を受けた息子が日本国内に住所を有さない非居住者なのか、それとも日本の居住者かということでした。

本事件の結論として、最高裁は贈与を受けた者が日本の非居住者であることを認めたことで、課税処分が取り消されました。つまり、非居住者であるため日本の贈与税の対象外と認められたのです。

裁判所(最高裁)は,まず,相続税法上の住所の解釈として,「生活の本拠,すなわち,その者の生活に最も関係の深い一般的生活,全生活の中心を指すものであり,一定の場所がある者の住所であるか否かは,客観的に生活の本拠たる実体を具備しているか否かにより決すべきものと解するのが相当である」と判示した。

http://www.yglpc.com/wp/wp-content/uploads/2019/06/vol12.pdf

本件に関しては贈与税が判例として争われましたが、それ以外の税金に関しても非居住者であるかによって判断されます。
そのため、海外での税金対策を行う上で非居住者であるか否かがとても重要となります。

非居住者の条件

武富士事件の判例や税理士から聞いた内容をもとに、非居住者の条件を以下にまとめました。

  • 日本国内に居住していない、生活の本拠地ではない本拠地ではないという実態を作る
  • 年間の3分の2は海外で生活
    (日本国内での滞在日数<ドバイでの滞在日数)
  • 日本国内に家族や配偶者がいない
  • 日本に住居を持っていない
  • 日本に住民票が無い
  • メインバンクを海外にする
  • 日本での仕事はリモートで行えるモノにしておく

改めてお伝えしますが、非居住者の条件というものは明確に定義されていません。
しかし、上記の非居住者の条件を押さえておくことで、個人として租税回避を行う条件をカバーすることができます。

租税回避できる国の一覧

世界中に租税回避できる国があります。

国によって、節税メリットは変わりますが、この動画ではお金持ちが税金を逃れるための15カ国が紹介されています。

  1. パナマ
  2. UAE(アラブ主直国連邦)
  3. イギリス
  4. 台湾
  5. シンガポール
  6. ルクセンブルク
  7. バミューダ島
  8. オランダ
  9. モーリシャス
  10. マルタ
  11. セーシェル
  12. カナダ
  13. ケイマン諸島
  14. タイ
  15. スイス

個人的にはこのリストに香港が入っても、不思議ではないと思っております。

国ごとの税率の違い

それでは次に日本とドバイ・シンガポール・香港の税率の違いを表で確認します。

日本ドバイシンガポール香港
法人税(地方税などの全て込み)35%0% (9%)17%17%
個人所得税(住民税込)55%0%20%16.5%
キャピタルゲイン税20%0%0%0%
相続税・贈与税50%0%0%0%
消費税10%5% (VAT)0%0%
固定資産税1~2%0%7%0%

この図を見る限り日本の税率がどれほど高いかが一目瞭然です。

そしてドバイでの税率がずば抜けて低いことがわかります。これらのことから、今後さらにドバイへ移住する日本人が増えてくると想定しています。

おわりに

本記事では海外の節税対策で知っておくべきことを紹介しました。
特に日本で非課税対象者になるための「非居住者」と租税回避地(タックスヘイブン)となる国に関しては、常に最新の情報を収集していく必要があります。

事業や投資ではうまくいっているが、個人の所得として手元には残る額が少ない。今後、より多くの額を稼ぐことを目指すのであれば事前に税金対策に関して考えることをオススメします。

お金を稼ぐことは大事ですが、それと同程度にお金を守ることも大事になります。


参考文献
“租税公課とは何?必要経費で処理できる税金と注意点をわかりやすく解説!.” 2021. マネーフォワード クラウド. https://biz.moneyforward.com/tax_return/basic/1566/.
“租税回避とは?節税・脱税との違いや租税回避とみなされたらどうなるのか解説.” n.d. ベンチャーサポートグループ. Accessed September 28, 2022. https://vs-group.jp/tax/startup/media/avoidance/14852.html.

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