ドバイの”超”格差はこうして生まれている

ドバイには確かに多くのお金持ちが集まります。しかし、ドバイには物凄く大きな格差も同時に存在します。
そのため、「人は生まれながらにして平等」だと言って納得する人はドバイには少ないでしょう。かく言う私も、ドバイでは運無くして努力だけでのし上がれる世界ではないと思っています。
朝、月収10万円のカフェの子と今日もいい天気だねと話して、
昼、月収100万円の知り合いと作業をさせてもらい、
夜、月収1000万円の社長にアドバイスを頂き、
深夜、月収1億円のファンドマネージャーと打ち合わせをする。
このような日常が常にあります。
そして、この国では一般的な労働者は出身国で給料が決まります。
極端な例ではありますが同じ仕事内容でも「あいつはフィリピン人だから時給500円ね、だけど、お前は日本人だから時給2000円、よかったな!」みたいな感じです。
ここがアメリカの実力主義の世界と違う、お金持ち帰属国家のように感じます。そしてこの労働者達がいるおかげで、ドバイはお金持ちの国だと認識されるようになったのです。
今回の記事ではドバイにどのような格差が存在するのか、またなぜドバイの労働者は出身国によって給料が違うのかを見ていきます。
出身国ごとに違う給料
出身国ごとに給料の格差が生まれているのには多くの要素があります。この多くの要素はUAE自体が作り上げたものではなく、より良い生活や富を求めるために集まった外国人労働者により、自然とできあがった労働構造になっているように感じます。
格差が生まれている要因
- 職種による給与格差
- 人種に対する固定概念
- 人種によって評価される職種が異なる
人種による向き不向き。(例:接客はアジア人が得意。アパレルはヨーロッパ人が得意、など)
1. 職種による給与格差
職業による格差は世界中のどの国にでも存在する格差なので納得できるかと思います。スーパーのコンビニやレストランのウェイターと、エンジニアやビジネスマネージャーを比較すると、需要の高いスキルがあるかによって給料格差が生まれます。この点に関しては納得できるのではないでしょうか。
2. 人種に対する固定概念
人種に対する固定概念も給与格差に帰属しています。ドバイへより高額の給料を求め、諸外国から多くの出稼ぎ労働者が集まってきます。自発的にドバイにくる人のみならず、ドバイ企業からの職業の斡旋を受けてやってくる人も多くいます。
例えば、昨今ドバイでの不動産の需要が高いことから多くの建物が建てられています。そのため、建築作業員のニーズが高まり、インドやパキスタンなどの田舎から多くの出稼ぎ労働者を斡旋し、ドバイで働いてもらうのです。
これにより、どの人種だったら、どの職種を上手くこなすかを試した結果、以下のような固定概念の上に成り立った労働構造が出来上がったと言えるでしょう。
- インド人・パキスタン人:タクシードライバー・デリバリー・建設作業員
- フィリピン人:接客・家政婦・看護師
- アフリカ系:セキュリティ・ボディーガード
ドバイの人口の50%近くが上記のインド人・パキスタン人・フィリピン人・アフリカの人達が占めています。そして、これらの人達は相対的に上記の職業へ就くため、ドバイ国内での労働に対する固定概念が作られたと言えるでしょう。
この人種に対する固定概念によって、ローカルの人が信念を持って接客業を行っていたとしても、なんでローカルの人がこんな仕事をしているんだと見下されることもあります。
このドバイ特有の労働格差は、今後ドバイが成長するにつれてさらに助長されていくでしょう。
3. 出身国での教育格差
出身国での教育格差も労働格差を生み出しています。ドバイには母国で高い教育を受けた人も全く教育を受けておらず文字も読めない人もいます。しかし、そんな状況であっても生活を送るためにお金を稼がなくてはなりません。
ドバイではアラビア語の他に英語も話されます。そのため、英語を流暢に話す人は仕事面でも優遇されます。また、言語の問題だけではなく、仕事への向き合い方やコミュニケーション方法など出身国で受けた教育の格差も反映されます。その結果、インド人やパキスタン人は運送業系で、フィリピン人は接客が向いているなどと固定概念が出来上がるのです。
格差社会で生きる
人種が違うため差別的な判断を下すことは間違っていますが、ドバイでは「人は生まれながらにして平等」だと納得する人は少ないでしょう。
これはドバイの経済の発展・出稼ぎ労働者・労働の固定概念から積み上げられた産物だと感じます。しかし、ドバイで生活する以上、この現実を受け入れなくてはなりません。
そして、この現状を理解した上で、ドバイではどのように自分がポジションをとっていくのかが重要となってきます。