2023年6月から始まるドバイの法人税

2023年6月1日からUAE(ドバイ)では法人税9%が導入予定です。
これまでUAEでは法人税は徴収されていませんでしたが、UAE連邦財務省は2022年1月に「2023年6月1日以降に開始する事業年度を課税対象として、法人税を導入する」と発表しました。
今回はJETROとUAE政府「FEDERAL TAX AUTHORITY(連邦税務当局)」が提示している内容をもとに、法人税を中心にドバイの税金に関して書きました。ドバイで事業を行う人は法人税の導入が自身のビジネスにどのような影響があるかを確認していただければと思います。
引用元をそれぞれ記載していおりますので、エビデンスとしてご確認ください。
法人税の導入目的

UAEが法人税の導入を決めた理由を連邦税務省は以下のように理由を述べています。
法人税の導入は、UAEが戦略的目標を達成し、その発展と変革を加速させることを目的としています。国際標準に準拠した法人税制は、広範な二重租税条約ネットワークとともに、ビジネスと投資のためのUAEの地位を強固なものにするでしょう。
https://tax.gov.ae/en/taxes/corporate.tax/corporate.tax.topics/what.is.corporate.tax.aspx
つまり、UAEは石油依存を脱却や温暖化ガスの排出を実質ゼロにするなど様々な戦略目標を掲げており、法人税は目標達成への変革を加速させるとしています。
実際にUAEは近年様々な面で成長が見られます。
パスポートパワー(ビザ無しで渡航が認められる国の数)が過去10年間で1番成長したことや、ソフト・パワー(国際社会からの信頼)が世界トップ10に入るなど、施策に対する結果が伴ってきました。これから法人税を導入することでUAEのさらなる成長も見込まれます。
日本経済新聞.”UAE、2050年までに排出量ゼロ 18兆円計画を発表”.日本経済新聞.2021-10-10. https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB101OA0Q1A011C2000000/, (参照 2023-3-7)
Gulf News. UAE sees the most growth in passport power in 10 years. Retrieved March 7, 2023, from https://gulfnews.com/uae/uae-sees-the-most-growth-in-passport-power-in-10-years-1.94141209
Manoj Nair. UAE sees the most growth in passport power in 10 years. Retrieved March 7, 2023, from https://gulfnews.com/uae/uae-sees-the-most-growth-in-passport-power-in-10-years-1.94141209
法人税の税率とその内容

2023年6月1日からUAE(ドバイ)では法人税9%が導入予定
内容
- 2023年6月1日以降の会計年度で、法人の課税所得に対して税率9%が適用。
- 課税対象は年間所得が37万5,000ディルハム(1,400万円程度)を超えるUAE国内の企業で、この額を超えない小規模事業者は対象外。
- UAE国内でビジネスを行っていない外国人投資家や、投資に対するキャピタルゲインとインカムゲインも対象外。
UAE国内(ドバイを含む)の企業・個人と取引がある場合に課税対象となるため気をつける必要があります。メインランドにある企業との取引や、飲食業などのサービス業などがその一例です。ドバイで行っている自身の事業が課税対象か改めて確認する必要があります。
私の仮説ではありますが、ドバイへ進出する日本人の多くはフリーゾーンで法人化するため、日本企業との取引が中心となっているはずです。そのため今年から始まる法人税の課税対象外に当てはまる企業が多いのではないかと思います。また、仮にUAEの国内企業から売上があっても、37万5,000AED以下であれば課税対象外となります。
JETRO. “税制”. JETRO.2023-1-6. https://www.jetro.go.jp/world/middle_east/ae/invest_04.html, (参照 2023-3-7)
個人の所得税
個人の所得税に関しては継続して課税対象外
租税条約とは
日本の財務省は租税条約に関して以下のように記しています。
租税条約は、課税関係の安定(法的安定性の確保)、二重課税の除去、脱税及び租税回避等への対応を通じ、二国間の健全な投資・経済交流の促進に資するものである。
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/index.htm
つまり、租税条約とは二重課税を無くすことや脱税及び租税回避の防止などへ対応することを目的に、二国間で締結される条約のことです。日本とUAEは2014年12月に租税条約が発効されました。
日本企業の子会社をUAE(ドバイ)で設立する場合はこの租税条約の内容を理解し、二重課税や脱税に該当しないよう気をつける必要があります。
財務省. “租税条約に関する資料”.財務省. https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/index.htm, (参照 2023-3-7)
おわりに
2023年6月1日から導入される法人税の9%はドバイが成長する上で大きな転換点となります。今後さらに良い方向へ成長することを期待したいです。
法人税が導入されてもドバイは日本と比べ税制面上でとても優遇されています。日本の法人税は最大23.2%なので、9%のドバイと比べて大きな差があります。
今後ドバイでビジネスを考えている方はご連絡をいただきましたら様々なアドバイスをさせていただきます。